395,15年シリーズ4、互換性

15年シリーズその4
互換性について書きます。

DREAMCADシリーズの互換の特徴としては
相互互換だという点です。

Ver1,Ver2,Ver3どのバージョンでも
そのまま扱えます。
データはコンバート不要です。


メリットとしては
どのVerで設計したデータでも、相互に作業できる点です。
普段は、最新Verで作業し 集中した時は
過去Verでも設計が可能です。
また、他社との連携が必要になった際、Verが異なっていても
データの互換の心配はありません。

互換についてはDREAMも機能追加のため、データベースに
追加検討する提案もあったことがありました。
その場合、上位互換となってしまいます。
コンバートが必要になるデメリット。
仕様の違いから完全な互換は不可となってしまいます。
検討の結果、データベースは変更しなく
CAD内での処理、機能を改善する方針で
バージョンアップされてきました。

主観ですが、15年シリーズという事で
各Verの概要を書きます。
Ver1からVer2に変わった時が
大きく変わっていった印象です。
CAD内で処理されるデータベース構造が
X方向からXY両方向に効率化がされました。
アクセス、DRCの速度はさらに向上されました。
RS274X形式も出力可となり
2画面表示内容も大きく変更があったのは
このVer2でした。

Ver2からVer3はデータ処理には変更はなく
Ver2の改良といった内容です。
展開はされませんでしたが
開発ではメニューの選択方法、半自動
操作体系の試作を繰り返していました。
機能面では
UNDO、REDOの方式がVer3で変わりました。
無限UNDO、REDOが可能となり。
どこまででもさかのぼることが可能なので
データバックアップの安心性が上がりました。
他は配線処理機能、
マルチプロセスでの処理向上などです。

データベースは同じですが
Ver1とVer2,3とでは
運用方法は若干違う点があります。
0.0001のラインのDRCの扱いについてです。
Ver1では0.0001ラインがDRCで他の信号線とショートしても
エラー扱いしておりました。
それがVer2以降はエラー扱いしないという仕様変更がありました。
0.0001ラインの使い道としてはストップラインの役目もあります。
ver2以降は、もっと自由にストップラインを描く事を可能にするため
DRCの対象としない仕様に変わりました。
機能の仕様などは変わっている部分はあるので
その点は、初めてだと迷うかもしれません。

Ver3のキーはVer2でも使えます。
この点は上位が包括します。
新しいVerは機能、性能の面で有利です。
しかし、今でも一部の用途によっては
Ver2の版を使うこともあります。
コマンドの仕様が微妙に違うところがあり
都合が良い部分があるためです。
立ち上げたついでにそれ以外の部分も
修正したりすることもあります。
そうして、相互に使うことがありますが
問題は起きたことはありませんでした。

新規Verを導入したとしても
過去Verキーは使わずじまいにならなくても済みます。
Ver1についてはパラレルキーなので
さすがにハードの問題で使うことが難しいですが
Ver2からはUSBキーです。
サブマシン、変更修正用などに活用できます。

データの仕様は、スペックを追うものでなく
実用的な範囲でまとめた仕様と感じました。
むしろDREAM以前に使用いていた時代のCADの方が
緻密にセッティングしているものが多かったです。

実用的と思ったポイントとしては。
1.層は24層まで、層の扱いを固定(実用的な範囲)
2.ラッツの使用層は1層で多色対応。(層の合理化)
3.Dコードはソフトで制御(データの可変対応)

1. 層は24層まで、層の扱いを固定(実用的な範囲)
頻度の多い設計では両面から8層基板です。
24層を越える場合は他のCADを使うほうが得策です。

割り当て層については、
パターン層、シルク、レジスト、メタル層など
使用層が固定されています。
描く層が決まっているので
作業の統一化ができることに気づきました。

2. ラッツの使用層は1層で多色対応。(層の合理化)
DREAMはラッツの層はシンプルで1層のみです。
当初、少ないと思いましたが、色分けが可能です。
そしてラッツ表示のON、OFFはネットプロセスで
個別で可能です。
また選択した部品からのみのラッツ表示
するといった機能もあります。

データベースの知識があれば
ON、OFF直接変更することも可能です。
毎回入力ダイアログで設定せずとも
工夫次第で自在に変えることも可能です。

3. Dコードはソフトで制御(データの可変対応)
PCBCADはCAMと関連が深いです。
CAMが必要なデータはDコードです。
一般的にCADを初期に立ち上げるときには
Dコードが基準とするシステムがあります。
たとえばD10番に0.1mm
     D11番に0.2mmといった具合に設定します。
運用途中で
たとえば0.123mmとか登録にない幅を使いたいとします。
その際、空いているDナンバーを探して登録します。
それによる、問題も起きる場合があります。

たとえばD100に1.11mmと登録されたファイルA
     D100に2.11mmに登録されたファイルBあります。
     ファイルA,Bを組み合わせる場合です。

D100を基準とした場合どちらかの値しか取り込みません。
1.11mmを基準として組み合わせたら
ファイルBの線幅は2.11mmなのですが1.11mmとなってしまいます。
重複しないように、確認し修正しておく必要がありました。

DREAMCADは、Dコードを設定するという作業は不要です。
指定したい場合には設定します。
データベースは、設計で使用するサイズをデータの軸とします。
Dコードは出力の際、ソフト内で自動的に割り振ります。

この3点については
実用域にしぼり、最適化してある方が
使う側にとっても良いと感じました。
互換もそのコンセプトにマッチするといえます。

作者は、ワークステーション時代から
いくつかのCADをリリースしています。
Ver1の時点で、DREAMCADに対する
コンセプトが明確だったのでしょう。

テキストエディタソフト
基本性能で必要な要素は
軽快、検索、置換です。

秀丸エディタは、検索1つとっても
カラーマーク、複数選択、一覧表示、アウトライン etc
さまざまな機能が追加されており。
VerUpのたび進化を感じます。

これらは、オフィスソフトVerUpを重ねても
そうはならないでしょう。

用途に応じた道具を使うことが
質を上げることにつながると思います。



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